三つの脱帽

私は夫と死別して早くも20年の歳月が流れました
今更・・っても思うけど振り返る機会がありました

友人のご主人が数日前に癌で亡くなられました
私の夫も癌(肺癌)でした 
夫は今とは医療の考え方や対処方法が違っていて
癌告知をしなかったのです
その後悔が何時まで経っても脳裏に引っ掛かっていて困ります

さてと 今回の友人のご主人は(81歳)は体調の変化に気づいて
わずか2ヶ月足らずであの世に召されてしまいました

総合病院で精密検査の結果をご夫婦で聞きに行ったとき
彼女は(友人は)撮ったレントゲン写真を先生と一緒に見て
「先生 これは異常ですよね」・・て言ったそうで
病院の先生も驚かれたそうです

私はその話を聞いて更にびっくりしました
「あなたよく判るねぇ」
彼女「関心があるから何がどう写るか判る!」・・って
へえぇ〜〜〜の世界で何も判らない私は脱帽しました
これは目からうろことも言うのね(一つめの脱帽

告知とか何とかいう暇もなく その場でご主人は告知を(胃癌)受けたのです
ご主人と彼女はその時から病魔との戦いが始まりました

癌も末期だったこともあり彼女や息子さんも交えて話し合った結果 
本人の強い希望から自宅療養をする事になりました

それからというものは 彼女は夫の病状変化や仕草を
見落とすことなく掛かり付けの医院とも連携を取り
困った時は助けて頂けるようにお願いして
老人介護保険など利用しながら昼夜惜しまないで看護に徹しました
自宅療養の場合何よりも家族が大変です

私はその姿に感動して私に出来ることがあったら参加させて
貰いたいとお願いをしました

私はご主人のいるベッドの傍らで留守番 彼女はお使いなど行って来るように・・
また私がご主人の側に行った時
「お父さん 彼女がきてくれたよ  いい話をしていてぇ」・・と 彼を有頂天にさせたりと
細やかな愛情たっぷりに魅せられたりしました

しかし 疲れ切った彼女の顔をみて 老老介護の厳しさを垣間見たり
短時間の交代の私でもストレスを受けて疲れます
加齢してきた我が身も 体力的にこんなにも厳しい現実になるとは
思ってもいませんでした
私より3歳ほどお姉さんの彼女なのでさぞ大変だったこと思われました
でも愚痴は一回も耳にしなくて 真夜中の最期 ちょっとした異常にも
目を離すこともなく最後の一息までも見逃さないで看とりました
私は看護婦も出来る・・と言われました (二つめの脱帽

三つめの脱帽は 息子さんたちとは離れて暮らしているので
夫亡きあとは一人の生活になります

広い屋敷で 芝生の緑いっぱいのお庭を愛した生活にピリオドを打ち
年金生活で賄える老後生活に切り替えること話されてこれまたびっくりしました

今までの生活そのままでは 管理やら 維持費も並大抵ではないこと
ご主人は名誉職に就かれていたことでもあったので
自由奔放に豊かに暮らしてきた生活から脱皮出来るかと
私は彼女の顔を見据えてしまいました

誰もが来る老い 厳しくも老いを生きて行かなくてはならない現実に
目を背けて生きてはいけないことです

私は夫亡き後 もう20年にもなりますが 癌告知しなかったことが
このような彼女に出あったことで鮮明に思い出されます

彼女のご主人への心底からの向きあいに
三つの脱帽に心を奪われました

12.8.9
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